世界文学を読みほどく(池澤夏樹)

小説は、現代社会の中でさまざまな使われ方をしています。ある意味で、小説が身をやつして俗な世界に降りてきて奉仕させられているという気もする。
最初に言ったように「小説の幸福期」は去りつつあるのかもしれない。(P.23)

「スローターハウス5」の中に、「人生について知るべきことは、すべてフョードル・ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の中にある、と彼はいうのだった。そしてこうつけ加えた。『だけどもう、それだけじゃ足りないんだ』」(P.33)

(略)ジョイスもまた、書かれた文字を利用しながら、話された言葉について何かを伝えようとしています。(P.188)

コメントを残す